こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

双極性障害における男女の違い

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双極性障害の羅漢率では男女比は等しいのですが、症状の特徴に男女間で違いが見られるようだ、とメディカルニューストゥデイ(MNT)が取り上げている内容を中心にご紹介したいと思います。

双極性障害の原因は明確にはなっていませんが、遺伝子が関与しているものとされており、家族内に双極性がいる場合では羅漢率が上がります。
この他発症の引き金となるのは、
- アルコールまたは薬物乱用
- 強度のストレスまたはトラウマになえりえる出来事の経験、とされていますが、女性の場合は更に
- ホルモンバランス
が加えられるとのことです。
症状の悪化は、毎月の生理前や、閉経前後、閉経後に起こりがちで、専門家はエストロゲン値の変動が関係しているものだろうとしています。
月経前症候群および月経前不快気分症候群は双極II型と同時に患うことが多いのも事実ですが、月経前症候群および月経前不快気分症候群を患う女性は双極I型を発症してしまうリスクも高いということです。

では、更に男性と比べた時の違いです。
  • 発症は平均で25歳だが、女性の場合は男性に比べて平均より遅くに発症することが多い
  • 女性はI型よりII型の方が多い(女性はうつ病エピソードが多く、男性は躁病エピソードが多い)
  • ラピッドサイクリング(一年に4エピソード以上)は男性より女性に一般的
  • 女性は大うつと誤診されやすく、男性は統合失調症と誤診されやすい
  • 不安障害、偏頭痛、肥満、パニック障害などの合併症は女性に多い
  • 女性の場合は男性に比べ、摂食障害、体重変化、食欲変化、不眠がうつ状態の期間に起こりやすい
  • 男性は女性に比べ、アルコール薬物の乱用、ギャンブル依存症の率が高くなり、行為障害も発症しやすい


尚、妊娠についてMNTは、妊娠で双極性が防げるわけではないが、悪化をするわけでもないとしています。UTMC勤務Bingham氏によると、彼が患者を診てきた経験上では妊娠中お薬を中断しても安定した気分を保っている女性双極性障害患者が多いとのことでした。しかし、MNTならびにBingham氏が指摘するのは、妊娠後のうつまたは精神異常です。授乳の必要性も考え、妊娠中や妊娠後の治療薬についてはお医者さんとしっかり話し合って下さい。

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参考:Bipolar Disorder in Women: What You Need to Know, MNT, Retrieved on Dec 30, 2016

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