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こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

統合失調症(旧精神分裂症)

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統合失調症の発症率はおよそ100人に1人ほどとされ、男女比は1:1ですが、女性はエストロゲンというホルモンが影響して発症が男性より遅れる傾向にあります。

症状は特徴により3つに分けられます。
①陽性症状(positive symptoms)
  • 誰かが自分の悪口を言っている、自分の考えが見られているなどの妄想を抱く
  • 幻覚や幻聴の他、匂い・触感・味などの感覚においても他人が感知しないものを訴える
  • 会話中に全く関係のない話をするなど、考えや言うことにまとまりがない
  • 不自然な動きをしたり、意味のない言葉などを繰返すことがやめられない(verbigerations)

②陰性症状(negative symptoms)
  • 目標に向かって行動することができない(avolition)
  • 意味をなすおしゃべりができない(alogia)
  • 通常なら強い反応を見せるはずの状況でも、ほとんどか全く感情表現を見せない(flat affect)→ 男性に多い

③認知症状(cognitive symptoms)(認知症状は治療を施しても続くことが多く、統合失調症の芯の部分になる症状です)
  • 記憶障害
  • 予定を立てることが困難
  • 注意力に問題がある


分類される主な3つのタイプです。
妄想型(paranoid schizophrenia)
妄想や幻聴があり、まとまりのない会話や感情の欠如はない。統合失調症の中で最も多いタイプである。被害妄想は激しく、高いレベルの恐怖や不安を示す。"誰かがいつも自分をはめようとしている"という妄想が強い。

破瓜型(disorganized schizophrenia)
支離滅裂な会話や行動と感情表現の欠如、あるいは場に適切でない感情表現をすることを特徴とする。早い年齢で発症する。極めて変わった、子どものような行動を取る。幻覚や妄想の内容があれこれ飛びやすい。症状の重さのため自活ができないことから、施設へ入る場合が多い。

緊張病型(catatonic schizophrenia)
動作に関して問題があることが特徴。不自然な姿勢を長い時間続けたり(waxy flexibility)、オウム返し(echolalia)や猿真似(echopraxia)するなどの症状が見られる。主に多動性が顕著なタイプ(excited catatonia)と不動性が顕著なタイプ(withdrawn catatonia)に分けられる。

原因は遺伝と環境が考えられています。患者の脳を観察してみると、健常者に比べて脳皮質が小さい、脳室が肥大している、灰白質が欠如していることがわかり、ドーパミンは活発になりすぎている状態です。
こういった脳構造・脳機能の異常以外では、妊娠第2期に母親がインフルエンザ予防注射を受けた胎児、40歳を過ぎた父親から生まれた子どもにリスクがあるとされています。

薬剤治療には抗神経病薬(neuroleptics:chlorpromazine、haloperidol)があり、陽性症状を緩和しますが、ドーパミン受容体をブロックすることから、パーキンソン病に似た症状や、唇・顎の動きが止まらない遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia)を副作用として起こすことがあります。
もう一つは非定型抗精神病薬(atypical neuroleptics:clozapine、risperidone)で、陰性症状によりよく効きます。直接ドーパミン受容体に働きかけないので、先のような副作用は起こりません。


参考:Understanding Abnormal Behavior, Stanley Sue et al. 2008

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