こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

性別と性的指向

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まずは性別について。
生物学上の性別を "sex" とし、これは戸籍やパスポートでも明記されるものです。遺伝子については 性別決定のX & Y をご参照ください。
これとは別に、心理的・感情的性別を "gender"(ジェンダー)と言い、社会学上で性別について触れるときに使われます。ジェンダーとはで詳しく掘り下げます。
個人のsexとgenderが異なる場合、"transgender(トランズジェンダー)" となります。これは性的指向と対になっているわけではないので、トランズジェンダー=同性愛者ということではありません。

次に性的指向(sexual orientation)とは、自分の性に対し恋愛感情もしくは性的魅力を感じる対象の性別を表すもので、男性が女性を女性が男性を好きになる恋愛を異性愛といい、これらの個人は異性愛者である(heterosexual)とします。英語では俗に "straight" と表現されることもあります。
男性と男性、女性と女性の間の恋愛は同性愛といい、個人は同性愛者である(homosexual)とします。男性を好きになる男性は "gay"、女性を好きになる女性は "lesbian" と一般には分けられていますが、男女問わず gay で表現することもあります。
男女を問わずに性的魅力を感じる個人は両性愛者/バイセクシュアル(bisexual)、あるいは性的行為について全く興味を持たない個人はエイセクシュアル/アセクシュアル(asexual)であるとします。

かつて、同性愛は心理的病として臨床心理の場で使われる診断マニュアルDSMで取り扱われていました。
科学的研究のデータが集まり、近年になってやっと同性愛は病ではないとしてDSMから取り除かれることになったのですが、いまだに偏見や差別は横行しています。
性的指向は個人が選択するものではなく、先天的に備わっているものとされます。
同性愛ではおなかにいる時の環境-特に妊娠2期の母親が受けるインフルエンザワクチンによる影響や、脳の構造の違いが明らかにされているところです。

男性で女装をしていても恋愛対象は女性という個人(transvestite/cross dresser)がいたり、社会的影響から最初は異性と付き合うことを当たり前としていたところ、かなり大人になってから自分が同性愛者であることに気付くというケースもあったりなど、セクシュアリティーは白か黒かのように決められるものではありません。
この意識は現代の大学教育のレベルでは確立・指導されていますが、国や文化によっては抑圧されることもあります。
ジェンダーと性的指向の多様性を称してLGBTQ (Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, Queer/Questioning)と言い("queer" は「どっちつかず」という解釈です)、主張のシンボルとして虹色が使われます。

こちらの記事はHuman Sexualityのページより移動し、編集したものです。


2は同性愛者の脳科学
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