身体を使うコミュニケーションは次の二つに分けられます。
① ジェスチャー
② 容姿
ジェスチャーは、更に5つのタイプに分けられます(Ekman & Friesen)。一つずつ見ていくことにします。
① ジェスチャー
- 象徴:言葉の替わりになる動き
この写真のような、人差し指と親指を自分から見て10時方向のところでくっ付けて丸を作ると「OK!」となります。
同じ指を真上でくっつくようにし、お釈迦さまの手のようにすれば日本では「お金」の意味になります。英語圏では女性器の意味になるので注意が必要です。
英語圏でお金を表すには、手のひらを上にし人差し指と中指をつけて親指でこれらをこする動きとなります。 - 図解:線などを空描きする動き
上の象徴と違い、文化ごとの相違は大きくありません。
「これくらいの箱」とか「上の方へ行って」など手や腕を使って表すことが多いです。
記憶に関しては全般に覚える過程でいろんなことと結びつける程に記憶が定着しますが、この動きをする人の方が動かさない人より算数テストでの図形をより多く覚えられたそうです(Goldin-Meadow et al, 2001)。 - 感情の表示:表情
怒り・恐れ・喜び・驚き・興奮・疲れなどの本心を表す顔の動きのことです。
反射的に出てしまうことも多くありますが、故意的に行うこともあります。
- 規制:話をコントロールする動き
相手が話をするのを続けさせたり止めさせたりなどコントロールを行う何かしらの動作のことです。
話をしている者に対して、話を続けてもらいたい場合は首を上下に動かしてうなずきます。
話が長い時の咳払いも規制の一つで、話を終わりにしてもらうことを促します。
話者が一文を終わらせる前に喰い気味に「うん」を繰り返すのも、話は聞いていないから止めてと言わんばかりの行動ですね。 - 無意識の動作:無意識に行われる欲求を埋めようとする動き
タイプが3つあります(Burgoon et al, 1996)。
a. 身体的欲求を満たそうとする動き - 頭が痒いので掻く、唇が渇いたので舐めるなど。公の場では抑えられることが多い。
b. 進行形のやりとりでの反応動作 - 相手が近付きすぎてきたので身体を斜めにするなど。警戒心がある時は腕を組む傾向などがある。
c. 物を触る動作 - ボールペンの芯をカチャカチャ出し入れする、ストローを噛み潰すなど。イライラや不安などを表していることが多い。
② 容姿
肌の色や目の色はおおよその人種の括りを伝えます。極東アジア人に馴染みのない人にとっては日中韓は区別がつきにくいですが、私たちにはそれができるのは知らず知らずのうちに相違点と類似点を認識・記憶しているからです(ヒューリスティック参照)。また、肌の色つや・顔色や体形は健康の度合いを表します。これは主に交配相手を寄せ付ける魅力となるものです。詳しくは恋愛関係のページをご参照ください。
身長が高いことも健康を表しますが、高身長というだけで説得力が付いてくるのでしょうか、
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参考:The Interpersonal Communication Book, Joseph A. DeVito, 2009