こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

健康食品の値段の罠

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私たちの「安かろう悪かろう」という観念は、健康食品にも当てはめているこということでしょうか。Fisher College of Business at Ohio State Universityの研究の結果、健康食品はそうでない食品に比べて割高であるという思い込みがあることが分かりました(2016)。
実際は値段が割安でも健康な食品は山とあるのですが、思い込みにより健康を意識したときに高いものを選んでしまう傾向があるというのです。これは健康食品会社にとってお得な顧客の行動傾向となります。

安価で求められるものの例としては、最近流行り出しているキヌア(Quinoa)なる雑穀。
- タンパク質
- 食物繊維
- マグネシウム
- マンガン
- リン
- 葉酸
- 銅
- 鉄
- 亜鉛
- カリウム
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
などを豊富に含む食品で、カルシウム、ビタミンB3、ビタミンEも微量含まれます(参考:Authority Nutrition)。お米に比べて糖質が少ないため、ご飯のかさましとしても使える優れものですが、1パッケージ300円以下で求められます。

Image Credit:Fort Myers Grocery Service
ついでながら加えておくと、猫餌も同様です。
"お米や野菜が入って健康的!"
のような種類のものが売られているのをよく見かけるようになりました。愛猫家としては、健康によいものを与えたいですので、手が伸びがちです。この研究結果そのものですね。

しかし、生物学の教授によると、猫は肉などのたんぱく質から身体の機能に必要ないろんな栄養素を作り出す酵素を持っているので、お米や野菜は必要ないのだそうです。むしろそれらを分解して栄養素にする酵素がないため、そのまま便として出るだけだとか。
健康志向ということでお値段が張る割に猫ちゃんにとっては実は無駄で、むしろその分のお金で良質な動物性たんぱく質を購入して欲しいのです。
私たちは対動物となると、彼らが考えていることは想像するしかないため、自分の生きている世界を動物にも当てはめてしまいます。
というか、もともと猫の餌は肉100%でできているわけではなく、特にドライフードではつなぎに穀物が使われます。更に野菜を追加されたら、摂れる栄養量が下がってしまいます。

というわけで、テレビ番組の間に挟まれる健康食品の宣伝などにも、これから厳しい価値判断をした方がよいと思われます。高いと効く効果はプラシーボ効果の記事でも紹介しています。

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