こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

非言語コミュニケーションの心理学

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私たち皆が、口を開けて話をすることも、手話で会話をすることも不可能である状態を思い浮かべてください。
少し腹を立てた様子でコミュニケーション中の相手に、「駄目だこりゃ」と伝えるときどうしたらよいでしょうか。
Image: 30 Rock, NBC

ハリウッドの役者さんたちはこれらの動作は大変上手ですね。目の動き一つにしても、何を考えているのか視聴者に伝わるように修行や研究をしています。

このような、言葉を使わないでも伝えるべきこと(メッセージ)を発信したり受信したりする行為を "非言語コミュニケーション(nonverbal communication)" と言います。
上の例では身体の動きや表情がメインになると思いますが、誰かがへんてこりんなことを数人の前で口走った時、全員が少しの間口をつぐんでしまうような "休止" も戸惑いを表す非言語コミュニケーションです。

以下の絵を見てください。非言語コミュニケーションで全く違う状況を伝えることができているのが分かると思います。
created with Bitstrips
二つの絵には同じ二人が映し出されています。
左側の人物の身体は何一つ変わっていませんが、表情だけ違います。右側の人物では身体の向きが異なる事、二者間の距離を狭めていること、表情が違うことに気がつくと思います。
これらのコミュニケーションはすべて非言語であり、言葉はなくても左側の人物の話す内容が異なり、右側のの人物は話を聞く態勢・聞きたくない態勢を表示することができています。

非言語コミュニケーションの種類は大きく分けて8つあります(DeVito)。
  1. 身体的コミュニケーション 
    (body communication)
  2. 面相コミュニケーション 
    (facial communication)
  3. 目のコミュニケーション 
    (eye communication)
  4. スキンシップ
    (touch communication)
  5. 言語ではない音と無音
    (paralanguage & silence)
  6. 物理的距離とテリトリー
    (proxemic distances & territoriality)
  7. 物を使うコミュニケーション 
    (artifactual communication)
  8. 時空 
    (temporal communication)
心理学では犯罪者の細かい動作を見て心情をさぐるなどもそうですが、対人においての傾向を見るなど、むしろ言葉で発されるよりも意味深いメッセージのやりとりとして非言語コミュニケーションに注目します。
文化やコミュニティーごとに様式が変わったり人類共通だったりするものがあるので、クロスカルチャーの勉強としても役に立ちます。
それではいくつかずつまとめて具体的にみていくことにしましょう。

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