こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

自尊心の向上

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self-esteemを大切にする心は、自己の等身大の理解を促し、無理をしないさじ加減という判断力を育てます。そして自己の理解は他人の理解へと広がっていき、結果として寛大な人間を育てます(人間の欲求段階参照)。
以下、self-esteemを上げるためのコツとして提唱されているものを載せておきます。

- self-esteemを育てる方法 -
大人になってからでも育てることは可能です。それには非生産的だったり、目標達成から遠ざけたりするような自己破滅的な信念(self-destructive beliefs)を蹴り飛ばすべしとのこと(Einhorn 2006)。
この自己破滅的な信念とは・・・?Butler(1981)は具体例を5つ挙げます。
  • 完璧ではいけないという信念
  • 強くいなければいけないのだという信念
  • 皆を喜ばせなければいけない、自分の価値は他人のが決めるのだという信念
  • 急がねばならないという信念
  • 期待されている以上に責任を果たさねばという信念
これらは高すぎる基準であり、実現できないことがほとんどです。そのためいつでも自分を失敗の塊と見てしまい、self-esteemが下がってしまいます。これらの信念は「皆に好かれることは良いことではあるけど、それが必ずしも私の幸せである必要はない」などのように変えることで健康的なself-esteemが育つのだ、というのがこれら研究者の見解です。

あらゆる"self-help book"、つまり自己啓発の本にはこういった上のような内容が書かれていることが多いのですが、「完璧ではいけないという信念をとりのぞかなければいけない」という新たなプレッシャーを与えてしまい、それがうまくできないと更なる失敗感を生む傾向にあるので取り扱いに注意が必要です。
自分の軸をしっかりさせるには、自己が今持つ英知を使って精一杯生きていることを自覚するだけで十分効果がありますが、具体的には次のようなことをしっかりと把握することで自己が安定します。
  • 頑張ってる姿を人に分かってもらう必要はないこと
  • 自分だけは自分をしっかり理解していること(エネルギーと集中力配分・短所・長所・無理の上限・思考回路)
  • 人には人の身体と人生、自分には自分の身体と人生があるということ
  • 生きることは大変過酷で面倒なことなのに、自分は生き残っているということ
自己がどんなもので出来上がっているのか、自己はどう変化していくのか、これらの理解を人からでなく自分の中から見つけようとするところに、自分への誇りや「自分は自分でいいのだ」というself-esteemは育ちます。
他人と比べてどうだ、という捉え方は効果がプラスに働く場合以外では不必要です。もしかしたら、昔の日本ならそれは必要だったかもしれませんが、時代の移り変わりにより文化も変化します。現代ではそれは適応能力のうち最も重要な一つとはならないと考えます。
自己の中身の作られ方はThe Selfをご参照ください。
また、他人や誰かの子がという視点ではなく、自分がどのようにして生物学的に出来上がったかという視点で自己の中身を知ると自己愛が深まります。
受精卵まで受精卵から胎児

3は欲求段階
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