こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

双極性障害のタイプと治療

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双極性障害患者は、躁期(maniac period)と鬱期(depressive period)で気分・活力・思考・行動に差があり、気分のサイクルは数時間で変わることもあれば、数ヶ月ということもあります。人間には誰でも気分の上下はあるものですが、双極性障害の場合の気分の差は大変著しく、普段の生活ないし社会的行動に支障をきたすレベルとなります。

躁期の症状の特徴は4つの面に分けて見ることができます。
感情面・・・高揚感・自己誇大感・好戦的
思考面・・・飛躍する思考・注意力欠如・乏しい決断力
行動面・・・衝動的・早口・おしゃべり
• 軽い躁 --- 沢山のプロジェクトに手をつけるが、ほとんどどれも完成しない・会話の主導権を握りたがる
• 躁 --- 批評に耐えることができない・幻想を体験する場合もある
身体面・・・眠る必要性を感じない・高レベルの興奮状態

躁期では突然仕事を辞めてしまったり、多額の買い物をしたり、一日2時間の睡眠で十分としたりします。
鬱期では同じ個人はベッドから這い出るのもかったるく感じたり、仕事を辞めたことや買い物の付けを引き起こした自分に対して嫌悪感・絶望感を抱きます。
双極性障害患者は単極性うつ患者に比べて、自殺を図る数も、それを成功させる数も上回ります。

双極性障害の原因は完全には解明されていませんが、遺伝の可能性が大きいとされており、大うつより家系内で高い伝承・共有率を示しています。

躁か鬱いずれかの最初の症状は、通例十代あるいは青少年期に現れます。気分の上がり下がりは誰にでもあることなので、今日は機嫌がいい/悪いだけだと素通りして、発見を見落とすことがありがちです。ひどく沈んでいた気持ちも、躁期になるとすっかり晴れ上がるため問題視されにくくあります。また、専門家に駆け込む時はうつ期を経験している間であることが多いため、双極ではなく単極性うつと間違えられやすい特徴があります。

治療には主にリチウムやデパコーテといった薬が処方され、ノルアドレナリン(norepinephrine)の出すぎを抑えます。薬の服用で全ての問題が解決するというものではありませんが、気分を安定させ両極端な思考や行動のギャップを埋めることが試されます。

双極性障害は以下のタイプに分けられ、タイプに合った薬が処方されます。
I型・・・躁と鬱を経験
II型・・・軽い躁と重い鬱を経験
Cyclothymia・・・軽い躁と軽い鬱を経験

II型では、鬱の症状が重いのが特徴で、明るい気分から急に全てのことに対する興味を失くしたりするなどの気分・態度変化が現れることで生活に支障をきたします。 I型の場合は躁の症状によって引き起こされる問題の方が深刻となります。

vol.3は男女での違い
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参考:Understanding Abnormal Behavior, David Sue et al., 2008

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