こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

気分と感情

Written by on
「気分/機嫌のアップダウン」を "mood swings" と言います。誰しもに起こる感情的な変化です。
(日常生活に支障をきたす程の気分の変化は双極性障害の可能性が疑われますので、双極性障害のポストをご参照ください。)
ホルモンの関係で、女性の方が男性よりmood swingsが頻繁です。
生理前に情緒不安定になったり身体の不具合を催す症状は、生理前症候群(Premenstrual Syndrome: PMS)と呼ばれます。ちょっとしたことでイライラを激しく感じたり、また怒りを人にぶつけてしまうなどの感情の起伏が見られます。

ここで少し、文化による気分や感情の表現の受け入れられ度について言及しておきます。
日本文化(集団主義)では、機嫌の悪さや怒りなどの表現は抑えられることが社会的に適切とする傾向があります。一方、アメリカ社会では機嫌の悪さや怒りが素直に表されることがタブーではない(Matsumoto, 1994)という特徴があります。前回のワールドカップ女子決勝でも、負けたアメリカチームのメンバーの露骨さったら、日本人にとってはショックな位でしたけども、アメリカ人にとってはさほど特別なことではないという・・・。

国際線飛行機などでもびっくりするほど態度が悪いアメリカ人客室乗務員に出会うことがあります。ここから先は、アメリカ人に対してではなくても、社会心理学が提唱するものです。
態度の悪いサービス員を見たとき、個人的にいじわるされているのかしらと感じてしまうこともありますし、態度の悪さが常習的なものと見てしまうこともあるのですが(internal attribution)、
  • 人によって感情表現法が異なるということ
  • 身体の疲れやその他病理性の原因(PMSを含む)を抱えているかもしれないこと
  • 何かストレスになる出来事がたまたまあったのかもしれないこと
  • などを想像すると、態度が悪いのは状況的なものによるんだろうとして(external attribution)、端的な判断による勘違い(fundamental attribution error)を防ぐことができるとされています。

    何があろうとも大人らしい行動をすべき・・・とは、実は執着心に過ぎないなんていこともあります。柳に風は心健やかなのです。
    気分の変化は以下のような要素で左右されるという研究結果が出ていますので、自他の気分・感情の理解に参考にしていただければと思います。
    Share this on... 
    Page Top
    Home



    SPECIAL ISSUES