-->
こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

暑いと攻撃的になる

Written by on
寒いより暑い方が辛い。
と、感じる方はどれくらいおられることでしょうか。
寒さは着ることで対処できるのですが、暑さからは逃げ切れず、そして破壊力があるような・・・。 あっという間に体内の水分と塩分を奪って電解質のバランスを崩し、神経系の不具合を出します。 このように熱中症にはならなくても、著者の場合は、暑いとイライラがマックスになります。

実は、天候と気分/機嫌(mood)の関連性は1970代から研究され始め、気分の変化が天気でも起こるとは明らかにされております。
例えば:
  • 温度が下がり日照時間の少ない冬にうつ症状を訴える患者が多いことがわかりました。これを季節性鬱(Seasonal Affective Depression: SAD)と診断しています。
    浴びる光の量が変わるとセロトニンの分泌量が変わり、セロトニンが少なくなると鬱を経験します。SADでは過食、過剰睡眠、体重増加などが症状として表れるのが特徴です(PsychCentral)。

  • 1984年の研究では、温度が上昇すると不安感と懐疑心は下降し、湿度が高くなると集中力が落ち眠気が増加するという結果が報告されています。
    また、同じ研究で、日照時間の長さが楽観性と比例関係にあると報告されています。

  • そして、最も多くの研究があるのが攻撃性を生むイライラと暑さの関係です。

  • 1970年、Griffittの行った実験では室内の温度を常温と暑すぎにした時の気分が測定されました。暑すぎる部屋(90F/32.2C)にいた被験者からは、疲れ・攻撃性・敵愾心において高い数値が示されました。

  • エアコンが効いている車とエアコンなしの車では、エアコンなしの車のほうが警笛を頻繁に鳴らす(Kenrick & MacFarlane, 1986)

  • 1967-1971の間のアメリカでの79の暴動は気温の高い日に起こっており、冬に起こったものがひとつもない

  • 6都市をまたいで行った調査では、暑いと暴力が関与する犯罪の件数が上がった(Anderson & Anderson, 1984 他)、北半球全体でも暑ければ暑いほど暴力が関与する犯罪の件数が多い(Anderson & Anderson, 1998, 2000)

  • 2013年のHsiang他による研究は、気温の上昇でグループ間の攻撃性は14%増加、個人間の攻撃性では4%の増加したと発表

暑いとイライラしてしまうのは人間ぽいとでも言いましょうか・・・それでも攻撃的になってよいという正当性は生まれませんが。
ここで挙げられている調査は、暑い気温が年間を通して、しかも毎年変わらない場所での攻撃性の変化を記録したものではなく、気温の上昇という変化に伴って攻撃性も変化していることに注目していただきたいと思います。
気温の上昇によってどのような身体的変化(脳活動の変化)が起き、それが「こんちきしょう」的気分を作り出すのか、これについてはまた後ほど説明を付け足すことと致します。

参考:Social Psychology, David G. Myers, 2008

Share this on... 
Page Top
Home



SPECIAL ISSUES