こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

アルコール:女性への影響

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平成元年より厚生労働省が行っている調査結果で、飲酒習慣率は男性では減少している一方、女性では増加を続けていることがわかっています。
身体的特徴のため、女性は男性より30%も多いアルコールを血中へ吸収させます。これは男女同じ身長・体重であっても変わりません。依存症に陥るまでの期間も短くなります。
女性とアルコールの具体的な特徴を見ていくことにしましょう。

  • 女性は男性より体脂肪が多く、脂肪はアルコールを吸収しないため、その分のアルコールは血中へ流れていきます。
  • 女性の身体が男性より少ない水分を保っているという特徴も、血中アルコール濃度を高くします。
  • 女性の方がアルコールを分解する胃腸酵素である脱水素酵素(dehydrogenase)の量が少ない。
  • 月経が近い時期では、そうでない時よりアルコールの影響を受けやすい。
  • 1日に(日本基準で)4ドリンクを摂取する女性は、飲酒しない女性に比べて乳癌にかかる率が40%も高くなると多くの研究で発表されています。原因は発癌性物質を解毒する能力をアルコールが阻害している、または発癌性物質を直接活発化させているためではないかと考えられています。
  • アルコールはカルシウムを含む栄養素の吸収を邪魔することから、骨の組織を劣化させます。女性は年齢の増加とともに骨の形成にも使われる女性ホルモンのエストロゲンが減少し、骨粗しょう症が起こりやすいので、アルコールはこれに追い討ちをかけることになってしまいます。
  • "適量"を超えたアルコールを摂取する女性は男性より肝炎を引き起こしやすく、むしろ女性以上に飲む男性よりも心臓病を引き起こしやすいとされています。
  • 妊娠中の大量のアルコール摂取は、胎児の突然死の危険性を招きます。4ドリンク以上の摂取で胎児性アルコール症候群(fetal alcohol sndrome: FAS)の危険があり、この新生児は頭が小さい・異常な顔かたち・睡眠障害・動きののろさ・短い丈・知的障害・多動性などの症状を見せます。また、少量のアルコールでも、難産や新生児の低体重・精神欠陥(fetal alcohol effect)を招く可能性があります。

アルコールは『百薬の長』とも言われるように、適量であれば健康に有益であるという科学的研究結果が報告されています。どれくらいを適量と言うのか、正しい理解が必要です。Alcohol Use:飲酒のページで詳しく説明していますのでご参照ください。

3は依存症
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