こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

アルコール:脳と二日酔い

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アルコールの身体への影響について、ここでは主に脳への働きと飲酒後(二日酔い)の症状を取り上げることにします。下はおおまかなアルコールへの反応のビデオです。

脳への影響と症状
アルコールが血中に混ざって脳まで運ばれると脳の至るところで影響を及ぼします。
脳のエリア別に行動をまとめます。解剖図:側面 左右割断面

  • アルコールは最初に脳の前側である前頭葉に働いて、社交性を顕したり、人との会話が容易になります。
  • 頭頂葉にのぼると細かい手先の動きなどが難しくなり始め、反応時間も延びてきます。アルコールが側頭葉に及ぶと、だんだんと喋りがたどたどしくなり、聴覚の反応もシャープさを失います。
  • 後頭部に回ると視野がはっきりしなくなり、距離感をつかむことが難しくなるため転倒しやすくなるなどの症状が現れます。
  • 小脳に影響が及ぶと運動能力に支障をきたすため、上手に立ち上がれなくなったり、まっすぐ歩けなくなったりします。
  • 脳の内側では海馬にも影響を与え、記憶に支障が出始めます。自分が話すことや人が言うことを覚えていられなくなります。
  • 視床への影響では、血圧・食欲・排泄欲などの管理に欠陥を出します。
  • 脳幹にある延髄は生命維持を可能にする場所で、アルコールは心臓を動かしたり呼吸をしたりする機能を邪魔し、最悪の場合は死に至ります。


二日酔い
二日酔いは血中のアルコール分が減ってくる飲酒停止後2・3時間あたりからだんだんとひどくなり、血中アルコール濃度がゼロになる頃にピークとなる、いわゆる禁断症状のあらわれです。
症状は
  • 脱水状態からくる喉の渇き・めまい・衰弱
  • 胃と肝臓の炎症からくる吐き気・嘔吐・胃痛
  • 低血糖からくる疲労感・気分の変化
  • 睡眠不足からくる時差ぼけ感
などがありますが、症状が顕れ始めてから24時間続くこともあります。

飲み物の種類によって二日酔いになりやすいものとそうでないものがあり、これはお酒に含まれている化学成分が多い少ないによります。化学成分は香りや色付け、味の調整にくっついてくるものなので、ウイスキー・ブランデー・赤ワインなどよりもウォッカやジンなどの無色の飲み物を摂取した場合は比較的二日酔いが楽だとされています。しかし、大量であればどちらにしても二日酔いからは逃れられません。
残念ながら、二日酔いの特効薬は「時間」のみとなります。しかし、水分で脱水症状を緩和し、トースト(バターなし)やクラッカーなどで血糖値を上げることはできます。吐き気や胃痛がある場合にアスピリンや抗炎症剤などを服用すると急性胃腸炎を悪化させることになるので避けましょう。代わりに、胃酸を押さえる薬は効果的です。(参考: ALAC.org

血中アルコール濃度や基準量・適量についてはAlcohol Use:飲酒のページにありますのでご参照ください。

2は女性への影響
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