こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

温かい方が甘い訳 - 味覚について

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同じものなのに、温かいと喉に刺さるほど甘いコーラ。冷えるのを待ちきれず飲むといつもより苦いビール。調理中は丁度良かった塩加減でも冷めたら味がないポテトサラダ。
ここでは、何故こんなことが起こるのかについて説明します。

Image from HowStuffWorks
人間の舌には、味蕾(みらい:taste buds)という味を感知して脳へ信号を送るセンサーがあります。味には、

甘味・苦味・塩味・酸味・旨味

があります。 各、sweetness, bitterness, saltiness, sourness, umami と英語になるのですが、旨味だけローマ字の日本語であるのは、日本人によって後々発見されたことによります。
かつてはそれぞれの味の感知は、舌の違った部分でなされるという味マップ的なものが生理解剖学にありましたが、これは間違った情報であることが分かり、近年取り消されました。ちなみに辛味は痛みの値で、味には含まれません。

舌全体の味蕾で各味を感知することが発見されると、今度は味蕾の中にあるTRPM5という味伝導回路が、食べ物・飲み物の味感知を温度によって調節している役割があることがわかりました(Nature 2005)。

飲食物の温度が上がるとTRPM5が反応し、より強い電気信号を脳に送ることによって味が強調されます。

温かいコーラは不快を覚える程の甘さとなるのはこのためです。冷えていれば甘味(ビールなら苦味)への感度が下がり清涼感が増すのです。ワインでは苦味・酸味・甘味を含みますから、飲むときの温度はとっても大事になりますね。

食品業界はどんな温度でも同じ味を提供したいはず。ということで、TRPM5の活性を阻止する化学品が研究中にあるということです。
尚、味を強調させて満足感を得ることでダイエットになるという粉末を売る会社はアメリカにありますが、TRPM5を操作するものかは調べてません。後ほど調べて記載することにします。

Updated on April 26, 2015 by the author
上の会社(Sensa)が販売する粉末の詳細について調べようとしましたところ、やっぱりかというべきか、法的に問題になったようで、2014年10月に自主的か強制的かダイエットビジネス界より撤退しましたと貼り紙がありました。


2は歯磨き後のまずい訳
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