-->
こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

文化と態度の心理学

Written by on
朝起きて、着替えてから朝ごはんか、それとも食べてから着替えるか。
細かいことですが、こんな風な行動様式は家庭によって異なると思います。これは、それぞれの家庭にあるそれぞれの文化です。
文化の定義については多くの学者が己の言葉遣いで様々に表現しますが、心理学では "一人の個が特定の社会で生き抜くために身につけられ次代へ渡されていく行動や思考" とされます。
子(個)は、ライフラインとなる保護者が管理する家庭という社会の中で見るもの聞くものを基準として設定していきます。スキーマの構築です(スキーマとは参照)。するとパジャマのスキーマも出来上がっていきます。「パジャマは食べるときには着ない。」これがある個人のスタンダードです。またある別の個人のスタンダードは、「家にいる間はパジャマ」などになりえるわけです。
家庭というスケールを国に拡大すると、保護者から継承される文化は、学校・仲間・メディアからも継承される文化になります。ある個人が認識する事柄のスタンダードは、こういった文化の中で設定されていくのです。

しかしこの "スタンダード" は、場所により時代により値を変えていきます。何が普通かそうでないかは、ファッションの流行と同じように流動するのです。
例えば・・・
アメリカでコーヒーはかつて家でいれて飲むか、レストランやガソリンスタンドなどで品質にこだわらないものを一杯100円程度の値段で買って飲むのがスタンダードでした。ところが、スターバックスのようなコーヒー専門売店という商売が、今までの人々のコーヒーへの態度を一新させることになります---コーヒーを今までの3倍程度を払って買うのが普通になり、フレーバーも大きさも選ぶことができるのが普通になったのです。
日本では二昔以前では外で買うお茶と言えばお弁当にくっついてくるまずいやつか、スチール缶の"おーいお茶"くらいしかありませんでしたが、著者が覚えている限りではサントリー烏龍茶及びKIRIN午後の紅茶とペットボトルの登場をきっかけに、各飲料会社がこぞって緑茶のペットボトル売りを開始。その後コカ・コーラ社の爽健美茶が登場するなどして、お茶の種類が緑茶にとどまらずブレンドを加えて数を増やしていきました。現代ではもはや水やお茶の購入は当たり前です。

このように物事のスタンダード・普通・ノーマルが変化していく切っ掛けには、特定の現象が働くことが多くあります。科学的発見や商売・広告・メディアの影響がほとんどですが、自然災害のような現象や民衆の意識革命も含みます。
心理学では、人の物事への姿勢や考え方が変わることを態度変化(attitude change)と言います。
お茶や水なんか外で買って飲むものではないという態度から、外で買うならお茶ボトルという態度に変化しました。そしてこの先、「ただいまキャンペーン中、熊本いかがですか?」「いや、狭山、ホットでショート」なんて、緑茶専門売店がどら焼きや団子とともにオープンカフェであることが普通になる時が来るかもしれません。(いや、むしろそれは昔にあった時代劇とかで出てくるやつ。外国人が日本を尋ねたら、純日本喫茶があるのは京都ばかりと思うでしょうか?東京に洋風の緑茶処があってもいいと思うのですが。)
Share this on... 
Page Top
Home



SPECIAL ISSUES