こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

恋と愛の行動脳科学

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『恋は盲目』『恋は麻薬』という日本の表現がありますが、恋愛は実際に身体に変化をもたらして特殊な症状を見せます。
恋は神経伝達物質(neurotransmitter)である
ドーパミン(dopamine)
ノルアドレナリン(norepinephrine:ストレスホルモンの一種)
・フェネチルアミン(phenethylamine:チョコレートに入っている成分)
の活性を行います。

ドーパミンは恍惚をもたらす物質で「もっともっと!」という欲を生みます。
ノルアドレナリンは交感神経に働いて、緊張したときの状態を作ります。
フェネチルアミンは興奮剤の効果があります。
恋をして胸がどきどき、そしてぽわぽわした気持ちになるのが納得いきますね。
一部の人口にドーパミンの効果として、食欲減退や不眠などの症状が現れることがあり、まさに『恋の病』を経験することになるわけです。

しかし、ぽわぽわ・どきどき感は長いことは続きません。それは麻薬の仕組み同様、脳が物質に耐性(tolerance)を持つようになるからです。つまり、同じ量の神経伝達物質では前までのように興奮を得られなくなるという仕組みです。
それによってマンネリや飽きを感じ、浮気をしてしまったり、恋愛関係を終了させることもあり得るわけですが、耐性を持ってしまった後も続いていく関係では他の物質(endorphine)がカバー役に回るようになるのだそうです(An Invitation to Health)。

また、オキシトシン(oxytocin)というホルモンは出産時と授乳に役割を果たすものとして知られていましたが、loveによる絆や安心感を覚えるときにも分泌されることがわかってきました。性行為でオーガズムを得た後も分泌されます。

『恋』と『愛』の違いについて、哲学的に論議されることが多くあります。科学的にこれらを分けるとすれば、『恋』はドーパミン・ノルアドレナリン・フェネチルアミンが出ている間、そしてオキシトシン・エンドルフィンが出るようになったら『愛』、みたいなことになるのではないでしょうか。

男女が惹かれ合う要素についてはRomantic Relationship:恋愛関係のページで説明します。
その他、恋愛の記事 → 恋愛

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