それは、思考です。
よくあるのは、次の日や近い将来に行うことをシミュレーションすることです。よい言い方をすればイメージトレーニングを行うことです。
人間が特徴的に持つ先の予想あるいは未来記憶は、繰り返すことによって実際に身体を動かしたトレーニングと同じかそれ以上の効果があることが知られています。よってこれ自体は悪い事ではないのですが、過度な不安が加わり思考を止められなくなると眠りに落ちることができなくなってしまいます。
寝なくてはいけないのに!という焦りは感情の高ぶりとなり、それが身体を緊張状態にしますのでますます眠りにつくことが難しくなります。
もう一つはその日を含む過去に起きた出来事の反芻です。
こちらも未来記憶と同じように繰り返すほどに記憶が定着するため、もの覚えが大変よくなる行為です。しかしこちらはネガティブ観点が止まらない傾向が強く、それが常習になると眠りを妨げるだけにとどまらず、起きている間の気分の沈みを引き起こすことがあります(こちらは反芻についての記事で説明します)。
重たい気分は見る夢にも影響を及ぼすとされており、やっと眠りに付けたのに悪夢を見るなどまるで健やかでないベッドタイムという習慣が身についてしまう危険があります。
さてでは、対処法です。
- 布団に入ってから20分経過しても寝付けないときは、無理に布団にとどまらずに起きて仕切りなおしをした方がよいとされています。しかし、先の禁止事項のような脳を刺激するような行動は目を覚ましてしまうので注意です。
- ぬるめのシャワーを浴びるのも効果的です。
- 未来にしろ過去にしろ記憶を反復してしまう場合は、布団に入る前にノートに書きだしてしまうといつまでも脳にこびりつかないという効果があります。
- 脳の気を散らしてやるのも一つの手で、ホワイトノイズと呼ばれる「シャー」的音を流すとよいとされます。こちらはTMSOFTからの無料アプリが配信されており、AppleおよびAndroidで使用できます。
- この他、体内外の環境として整えることは、カフェインは寝る前4-6時間までにすること、お酒は3時間前までに切り上げること、部屋を暗くして16℃~21℃にすることなどが含まれます。
以上をしばらく試してみても効果が見られない場合は、専門家へ赴くことをおすすめします。睡眠障害は鬱やストレスと関係していることがありますので、できればメンタルクリニックで治療を行うことがお勧めですが、お薬だけならば総合内科で出してもらうことも可能です。
夜中にどうしても起きて食べてしまう症状は夜食症候群についての記事で説明致します。