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笑いはエンドルフィン(endorphin)という神経伝達物質を放出させます。エンドルフィンはぽわーっとした快楽感をもたらすもので、モルヒネの代わりになる、痛み止めの役目をします。
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笑いには免疫細胞(NK細胞)、抗体、T細胞を増殖させる効果があります。このことから、インフルエンザを含む感染症に対するバリアを強くする他、癌の抑制にもなります。
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まず腹からの笑いでおなか以外の筋肉がリラックスし、その後におなかの筋肉がリラックスという2段階になります。身体がリラックスに到達するまでのスピードは、美しい景色を見ているより、テレビ漫画等で笑った方が速いとのことです(Humor and Health)。
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笑いはストレスホルモンの値を下げ、2番目に挙げた免疫機能向上に通じています。ストレス反応を起こす時でも、笑いがある場合はストレス処理の成功率が上がります。嫌な空気もジョークで乗り切るようなことですね。実際に口にしなくても、笑う・笑わせることの想像だけで同じ効果が得られるそうです(Berk, 2006)。
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創造力・問題解決能力・記憶力を向上させる効果があります。これは笑うことで脳全体が活発化され学習が調子に乗り、また、筋肉がリラックスし、ストレスレベルが下がることで脳や身体が認知的作業に集中できやすい環境になるためとされます(Schmidt, 1994)。というわけで、馬鹿まじめよりも、ジョークで笑わせるのが上手な先生ほど"できる生徒"を持つということになり、これについては複数の実験が行われて結果を残しています。
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大笑い(mirthful laugh)は、適度な運動と同じ効果があり、既に挙げたストレスホルモンの低下・免疫機能強化の他、悪玉コレステロール(LDL)の低下・高血圧の緩和・善玉コレステロール(HDL)の増加をもたらすとされます(Berk et al., 2010)。このことから笑いは運動だとし、Laughercise©という言葉が作られました(ScienceDaily)。
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笑いを共有することで、グループとしての意識と団結力がアップします。笑いを共にした相手とは、口論を経験しても腹を立て続けることが難しくなります(Schwartz)。快適な笑いを提供できる人材が、"どういうわけか憎めない奴"になる理由かもしれません。
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睡眠中、特に夜10時から2時までの間に出る成長ホルモンは、身体の成長とメンテナンス、免疫システム補助を行います。この成長ホルモン並びに鬱を和らげる効果のあるベータエンドルフィンが、実際の大笑い乃至想像で増加します(Berk)。
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って、笑うのだから当たり前?ここには筋肉と感情のからくりがあります。筋肉に付随している神経細胞は筋肉の形状を電気信号として脳に送り、脳はこの情報を受け取ると「この動きということは・・・楽しいわけですね」と判断し「楽しい」という感情を産み出します(Emotion参照)。
眉間にしわを寄せる形態も先に作ってしまえばイライラした気分が作り出されます。感情の原因を見つけたがる癖のある私たちなので、眉間のしわをよそに、「お前が悪いから」などと八つ当たりが発生しがちです。
ボトックスによって神経が殺されている状態では・・・、記事副作用についてで説明します。