
宣伝広告には最も重要なものと言えるかもしれない"framing"。framingとは、巧みな言い回しで人の観点を変える程の表現をすることを言い、裁判の場などでも人々の決断に大きな影響を与えます。
例えば、「99%の菌を確実に殺します」という表現と「1%の菌はどうしても残ってしまいます」という表現では、同じ事実を表しているのにも関わらず、後者では不安を煽ることに成功します。特に衛生・健康関連品では顕著にこの例の表現が消費者の心理を変化させます(Jasper et al., 2001)。
更に冒頭イメージの"Buy One, Get One 50% OFF!"のような表示。「二つ買うとそれぞれ25%引き」と同じことですが、「二つ目は50%引き」にすると目に飛び込む割引の数字が大きくなるので、注意の引きつけ具合が変わってくるわけですね。
もう一つの楽しい?例は、マクドナルド社の "100% Pure Beef" という宣伝文句です。

単純接触効果とは、頻繁に目や耳にする物や人に対しての好感度が上がるというものです。コンビニの棚配列はこの効果の大きな鍵を握るため、ものすごい争いが繰り広げられます。単純接触効果が大きく働いている例としては食用コラーゲンが流行る現象です。
ストレスホルモンは脳にもよろしくない影響を与え、記憶の低下を起します。脳がリラックスした状態とストレスアウトした状態では、コマーシャル情報を取り入れて処理する効率が違うのです。すごい緊張で自分が何を喋っているか分からなくなる・忘れるのも同じ仕組みです。
BushmanとBonacciが2002年に行った実験では、暴力あるいはセックスを含む番組を見ていた方(脳がストレスホルモンを浴びている方)の被験者は、番組の間に流れたコマーシャルの商品を覚えておらず、スーパーの棚から選ぶことができませんでした。
宣伝は笑いとセットにした方がいい理由は、笑いの効果の5番目に挙げてありますのでご参照ください。
援助行動の原理です。味見(フリーサンプル)をおしげなくさせる店、特に漬物屋とかに多いですが、最近知名度と利用客数を伸ばしているコストコはこれを実行する代表的な売り場です。
人は相手より何かを貰うと、罪悪感が働きお返しをしたくなる衝動に駆られる(reciprocity)とされます。日本文化で言うところの『恩』とか『借り』の発生です。従って、販売側は出し惜しみをするよりも多少のコストをかけて分け与えてしまった方が、結果的には大きい見返りを期待できます。まさに、笠地蔵効果・・・。
追記:Oct 3, 2014
上で挙げたコストコのフリーサンプル効果についての記事が、The Psychology Behind Costco's Free Samples(The Atlantic 10月1日付け)で詳しく説明されました。

これとは別の比較のグラフをお借りして載せておきます。濃い青がフリーサンプルがあった場合の売り上げ、薄い青はフリーサンプルがなしの場合です。商品は左から、ターキーひき肉・ベーグル・冷凍ピザ・ヨーグルトです。縦軸は買い物客のパーセンテージで、薄くて見づらいですが0-60までの指標です。
これらの他に有名なものとしてはプライミングという技が効きます。これについてはプライミングのちからで説明します。
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