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こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

ポルノグラフィーの心理学

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Image: The New York Times
アメリカで発行されているPLAYBOYはこの度、女性のヌード掲載を辞めることを発表しました。
PLAYBOYは男性(異性愛者)向けであり、表紙にはばっちり "ENTERTAINMENT FOR MEN" とございます。そこに女性のヌードを披露することは、北朝鮮の喜び組を批難批評できないほどに男尊女卑が同じレベル。
女の裸を商品化することへのモラル精神からこの流れに至ったのであれば、アメリカにしては遅すぎる対応だよな・・・なんて思ったり。
と、ニューヨークタイムズを読んでいると経緯が載せられていました。 メディアのデジタル化に伴い、性的画像の閲覧媒体は雑誌からインターネットへと移行しました。更に、インターネット画像は無料かつ雑誌より過激になっているため、雑誌のヌードごときで客を魅了できないというのが実情。提案者の「セックスをこそこそしたものからどこそこに見られるようにしたという革命児のリーダーとして、女性のヌードを出版するのを辞めるべきではないかと・・・」というのが通ったそうです。
筋が通っているのやらいないのやら、隠すことへの美的価値を革命的に起こしたいのか、何しろ日本で言うところのグラビア系になるそうです。
表紙は最初のマリリンモンローで1953年、次に1974年、シャロン・ストーンは1990年、最後は2015年のものです。中身のどぎついやつは個人的にバックナンバー等でe-bayから落として手に入れてください。これから先の中身はこれら表紙の露出度にとどまることでしょう。

女性の身体を美しいと感じ、更に興奮を覚えることは大いに健康的なことだと思います。が、女性の裸画像、あるいは女性そのものが商売品として当たり前になると、男性は女性をおもちゃとして捉えるようになる傾向があるためいろんな面で勿体ないなぁと思ったりするのです。
商品として見たり、おもちゃのように感じるなど、単なる物として扱うようにすることを擬物化(objectification)といいます。

擬物化は心理学ではメディア影響の問題の一つとして数えられています。メディアでの世界と現実世界を区別することがなくなり、触れることのできる人間にも"物体"にすぎないという認識を発達させてしまうのです。
  • グラビア雑誌やポルノを多く閲覧するほど男性の生身の女性に対する擬物化が進むという研究は多くなされており、交際相手である女性の体型に自分(男性)が恥ずかしい思いをするようになるといった報告が発表されています(Ramsey & Hoyt, 2014)。
  • 男性のグラビア雑誌やポルノの閲覧が増えるほど女性を物体視する傾向が高くなり、女性が性的行為を避けようとしている信号を読めない傾向も上がるとは、Washington State Universityより研究結果が発表されています。
  • 更に他人と自分を区別しなくなり、女性がファッション雑誌を、男性がフィットネス雑誌をそれぞれ多く読むほど自分自身に対しても物体化は行われ、自分の体型への自信が崩壊される傾向にあるとされています(Morry & Staska, 2011)。同じ研究では摂食障害の発症率と比例するという結果も発表されています。
目をメディアに映る身体に晒すという行為の関連として加えておきます。細いのにボインな女性や筋肉美を強調する男性の姿に私たちの目が彼らに晒されれば晒されるほど、彼らの体型が"スタンダード"あるいは"格好いい印"といったように認識するようになります。昔はふっくらしたマリリンモンローが美の象徴とされていたところから、ガリポンが美の価値を得ていくようになりました。ボディーイメージは推移します。
自己のボディーとメディアが作り出すボディーイメージに差が生まれると、自己の体型への満足度が低くなり、自尊心を下げる他、必要のない減量ダイエット欲に駆られるとして専門家は注意を促しています。

ウエスト対ヒップの黄金比は7:10とされていますが、現代では6:10や5:10のプロポーションに魅力を感じる男性がおり、これは自然界に存在しえない率。結婚しない人口が増える一つの原因になっているとも考えられなくはありません。漫画を含める日本のポルノ文化について民がガヤガヤ言わない理由なども含め、いろいろ考察してみると何かしらの啓発につながるのではないでしょうか。
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