コーヒーの有益性は研究の結果あれこれ発表されてきていますが、それと同時に有毒性も発表されてきています。
健康食品として太鼓判を押すか否か、カフェインという興奮剤がドラッグに足を掛けている以上、薬物関連教育関係者および保健機構もどっちだどっちだと真実を探ろうとしています。
有益 vs 有毒の論議合戦は熱く、コーヒーの常用が心臓病を防ぐか誘発するかという因果関係(cause-effect relationship)のスタディーは何度も繰り返され沢山のものがあります。American Heart Associationはこの判定について、「結果が割れすぎている」としており(Caffeine and Cardiovascular Disease)、いいとも悪いとも判子が押せません。
記事
Higher coffee consumption may protect against liver cancer (Medical News Today)
では、コーヒー摂取の新しい有益性が発見されたスタディー結果を紹介しています。サンプルが大人数だったりすることもあってか、Medical News Today以外でも多くのニュース誌が取り上げているようです。
発表されたのは、一日一杯のコーヒーで肝臓がんになる確率が14%も下がったという結果報告です。
肝臓がんを発するには、一日に3ドリンクのアルコール摂取で十分とされています(UK-based World Cancer Research Fund International)。
3ドリンクとは、単純に3杯ということではありません。詳しくはAlcohol Use:飲酒のページをご参照ください。
日本は文化上晩酌をする習慣がありますので摂取量が過ぎがちですが、肝臓がんに限ってはコーヒーが救ってくれるかもしれません。
同記事では、この結果が2013年に発表された、コーヒー摂取が子宮がん発症率を下げるという研究結果に追随するものとしています。
コーヒーおよびコーヒーエキスには炎症癖についての遺伝子が発現するのを抑える効果があるとのことで、特に肝臓でのこれに顕著に働くのだそう。
ただし!癌を抑制するものがコーヒーに入る含有物のうちどれなのか特定することができていない(カフェインなのか、砂糖なのか、ミルクなのか、コンビネーションなのか、あるいはいまだ発見されていない成分かもしれません)段階なので、他の病状に悪影響を及ぼしたりする可能性もあり得ることから、やはり、太鼓判はまだ押せないとのことです。
コーヒーは抗酸化物質であるフィトケミカル(phytochemical)の一種であるポリフェノールを含み、フィトケミカルは老化防止に良いとは栄養学でも語られます。
一方、ドラッグとしてのカフェインに注目すれば、興奮効果が注意力を研ぎ澄ますといった認知機能への有益性は一般常識。しかし同時に、研ぎ澄まし過ぎて不安症の症状を悪化させたりします。舌先現象の増加という影響も指摘されています(忘れられない記憶効果参照)。
その他カフェインには中毒性がありますから、人によっては朝のコーヒーを抜くと頭痛を起こすなど禁断症状を出すこともあります。
ということで、他のあらゆる栄養素や薬品同様にコーヒー及びカフェインの利益と副作用を十分に理解し、個人の目安に合った利用を心掛けた方が良いでしょう。
こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。
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