こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

ストレスマネジメント

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ストレスが生きることを可能にしていることも事実ですが(Stress参照)、身体に好ましくない影響を与えることも確かです。
どんなものも人によってストレスの原因(ストレッサー)となりえます。 職場でオフィス用具を共有することがストレッサーになる人もいれば、どんな環境下でも前向きな人もいたりと、同じ事柄が万人に同じ反応を起こさせるとは限らないのです。
自分はどういったことにストレスを感じるかを割り出すことは、そのストレッサーとの付き合い方を学ぶことにつながり、それは自分にとっての正しい決断と健康的な生活へと自分を導くものになります。
それでも私たちの日常では、どうしても避けられない、あるいは予測だにしないストレッサーに出遭うことは茶飯事ですね。ストレスへの適切な対処が必要です。こういった対処や管理をストレスマネジメントと呼びます。
ストレスへの反応は性別・遺伝子などの生物学的要因と、育ち・経験(学習)などの環境要因が組み合わさり、ひとりひとり違ってきます。生物学的なものは追々アップしていくことにして、ここでは環境要因として調整できるものを挙げておきます。

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笑い
笑いはストレスホルモンレベルを下げます。詳しくは、心理学:笑いの効果をご参照ください。

2
運動
運動にはイライラした気分を昇華させる効果とともに、免疫力を上げる効果があります。人によりけりですが、無理なスケジュールは逆にストレスになりかねないので、自己のポテンシャルに合わせて行いましょう。友達やパートナーと一緒とはやる気のブーストアップになることも多いですが、相手が脱落したときにつられてしまうという効果もあることに気を付けて下さい。

3
コミュニケーション*
気の置けない親友に話を聞いてもらうのも良いですし、事をプライベートに保ちたければカウンセリングなどを利用する手もあります。酒場へ赴いてマスターに話を聞いてもらうのも素敵なやりとりではあるのですが、アルコールは免疫低下に追い討ちを掛けてしまうことになるのでおすすめできない手段です。更に、ストレスとアルコール依存症の密接な関係がありますから(NIAAA)、ストレス発散に飲酒を選ぶのは危険です(アルコール依存症の仕組み参照)。

4
認知的対処
自分にとってストレッサーとなるものの認識と自己の性格や能力の理解を行い、ストレッサーへの観念を変える方法です。これは、恐怖症の克服に使われることもある療法となります。
物の考え方は精神に大きく影響します。ネガティブな姿勢でいると無力感を産み『肩を落とす』ことばかりですが、ポジティブな姿勢でいればなんとかなるさ感で『肩の力が抜ける』ことになります。そこいらを調整して特定のストレッサーを定義ごと変えることを試みます。

5
食事
食によってストレスで弱る部分を補うことは、極東アジアでは太古からの民間療治ですが、欧米ではこの文化を持ち合わせないため、食品の成分を科学的に調べて数字にしてくれている最近です。よって食事療法は言い伝えより強いパワーを持つようになりました。 ストレスからくる身体的症状を和らげる効果のあるものをいくつか挙げることにします。(参考: WebMD

きゅうり:きゅうりに含まれる"trichosanthin"という成分には殺菌作用や炎症抑制などの効果があります。HIV患者を使った実験では、trichosanthin治療により被験者の85%に免疫細胞数の増加が見らた(Byer et al., 1994)ということです。尚、きゅうりは血糖値の低下にも効果があるそうです。

オレンジ:オレンジはビタミンCが豊富です。ビタミンCは免疫システムを強化しながらストレスホルモンを下げるということが明らかにされています。高血圧の人を対象にした実験では、ストレスのたまる作業の前にビタミンCを摂取させたところ、血圧とコルチゾル(ストレスホルモン)値がより速く正常値に戻るという結果を出しました。

脂肪の多い魚:鮭や鮪などに含まれる"オメガ-3脂肪酸"はストレスホルモンを抑え、心臓病を予防し、欝や生理前症候群などの気分障害を防ぎます。オメガ-3は1週間に最低2回約85グラムずつ取るように心がけましょう。

ブラックティー:ブラックティーの常飲は、ストレスから回復を速くさせる効果があります。ある実験では、ティー4杯を6週間続けて飲んだ人と、他の飲み物を飲んだ人が比べられ、ティーを飲んだ人は落ち着いた気分を報告した他、ストレスの溜まる状況50分後ではストレスホルモンであるコルチゾルの値が低かったとという結果が報告されました。ちなみに、コーヒーに含まれるカフェインは、ストレスホルモンを増加させ血圧も上昇させます・・・という報告もあるのですが、その逆もあります(珈琲の効果参照)。 *コミュニケーションによってストレスをマネジメントする技は女性に顕著です。2で説明します。

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