こちらのページは特集(Special Issues)の一つです。専門用語頻出による読み辛さにご注意下さい。

解離性障害

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解離性同一性障害(dissociative identity disorder、以下DID)とはかつて多重人格障害(multi-personality disorder)と呼ばれたもので、一人の個人が二つ以上の人格を持つ場合に診断されます。
DIDに関しては専門家の批評が厳しく、最近では、「犯罪者が罪を逃れようとするための芝居だ」という声が多くあがっています。
DIDは1990年半ばに診断人口がピークとなりました。社会文化的アプローチはこの現象について、DIDがマスメディアによって紹介されたことにより、民衆が症状を学習し、また、セラピストも同じくメディアから影響を受け過剰に症状を診断(iatrogenic disorder)したのだろうと説明します。
DIDは本当にただの演技なのでしょうか。強盗および強姦の罪で起訴された(1977年)ビリー・ミリガンは、DIDを患っていたとされ話題となりました。『24人のビリーミリガン』(ダニエル・キイス著)など書籍になっていますので理解の参考にしてください。

DIDは解離性障害に分類される障害です。この解離性障害とは、個人のアイデンティティー・記憶・意識が変質あるいは崩壊した状態を病むのが特徴です。
トラウマになる体験・脳梗塞・薬物乱用・その他病などで引き起こされますが、心理的要因の結果だとされています。

解離性障害のカテゴリには次のようなものがあります。

解離性健忘(dissociative amnesia)--- 自己の情報が思い出せない
① 特定の短い期間に起こった事が思い出せない (locaized)
② 出来事全体のうち、ある詳細だけが思い出せない (selective)(殺人犯がよく使う手段で、70%は偽証)
③ 特定のカテゴリについてのみ記憶を喪失 (systematized)
④ ある一定の期間内に起きた事が思い出せない (continuous)
⑤ 人生全体の記憶を喪失 (generalized)

解離性とん走(dissociative fugue)--- 個人のアイデンティティーに混乱があり、予期せぬ家出をする

離人性障害(depersonalization disorder)--- 現実感が持てないことが特徴で、半分近くの大人人口は体験したことがある

解離性同一性障害(dissociative identity disorder:DID/multi-personality disorder)--- 二つ以上の人格を持つ


生物学的研究では、海馬の不活性と海馬及び扁桃体の萎縮が指摘されています。
サイコダイナミクスは、身体的あるいは性的虐待の経験が原因になるとしています。
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